SRVについて
SRV とは、ソージック曲の作曲後、トラックダウンを行う過程で使用するミキシングバスの設定およびルーティング方法(Sousic Routing Variation)の事です。
SRVの進化の過程とコンセプトをご説明いたします。
SRV-6 SRV-6
SRV6
「SOUSIC-NS 寝台特急 285」より採用した最新コンセプトのルーティングとなります。
音楽成分の表現力を第一に考え、音楽の躍動感を損ねるような定位調整エフェクト処理を取りやめ。
そして、従来は加減速時と定速走行時で異なる音場となっていましたが、これを統一しました。
従来、ジョイント音に走行ノイズを加えたものを中央定位とし、それを空間系エフェクトで左右に広げたものをリズムに組み込んでいました。
今回、ジョイント音と走行ノイズを分離。
ジョイント音は定位重視のモノラル音色のまま、処理の品質をブラッシュアップ。
これまでリズムに組み込ませることが困難だったダブルストローク部分を別トラックとして音量調整することで、よりグルービーなジョイント音となりました。
走行ノイズに関しては、今回からステレオ音色とし、絶妙なバランスでモーター音をブレンドすることで聴き心地を重視。これを、加減速音と同じバスで処理することで、違和感のないサウンドを実現しました。
これらにより、従来のような各マスターバス間での信号混在が無くなったため、より分離の良い音場を実現することが出来ました。
SRV-5 SRV-5
SRV5
「SOUSIC-NS 中央特急 E351」より採用した新しいルーティング方式です。
“SRV-4.5”をベースとして考案しましたが、新世代ソージック作品に相応しいものとする為、
改めて音楽的視点から組み直しを行いました。
ソージックシリーズ、およびソージックNSシリーズ作品は、それぞれ「加速・減速時」と「定速走行時」において、
効果音の定位が異なっております。
「加速・減速時」は左右に、「定速走行時」のジョイント音は中央に設定しております。
しかし、この定位の違いにより「加速・減速時」から「定速走行時」への切り替え、
およびその逆の切り替えにおいて若干の違和感を抱いてしまう結果となっていました。
これらは従来、それぞれの効果音を慎重にクロスフェードすることにより
こういった違和感を減少させる工夫をしておりましたが、これら従来の施策に加え、
“SRV-5”では、「加速・減速時」と「定速走行時」で音楽部分の定位を可変させることにより、
走行中の列車ようにスムーズに流れる音場を実現いたしました。
そして、DAW上におけるルーティングを大幅にシンプルに致しました。
これにより、各バス間での信号受け渡しによる劣化、
および制作に使用したマシンへの負担を軽減しており、結果、高音質化に結びついております。
SRV-4 SRV-4
SRV4
SRV-4は、QUEEN SOUSIC 制作時に考案されました。
QUEEN SOUSICの制作におきましては、
前作であるKING SOUSIC と異なるDAWソフトを使用することとなりました。
そこで、QUEEN SOUSICで使用するソフトに適し、
なおかつより一段と高品位な制作が可能なルーティング設定を一から組み直す事にしました。
SRV-3から受け継がれたスネアをそのまま残した上で、ジョイント音・ポイント通過音の役割を変更しました。
その結果、従来までのパターンでは、ジョイント音・ポイント通過音は曲中でスネアとしての役割を担う関係で、
アタックのある、リズムを刻むのに必要な部分のみを切り出して使用する、という方法で制作を行っておりました。
これにより、少々違和感のあるリズムパターンとなっておりました。
SRV-4では、ジョイント音・ポイント通過音に走行ノイズも加え(つまり切り出す前の状態のまま)、
スネアの役割からは解放し、ディレイを使用して遅らせた音を左右に振り分け、
加速・減速音と共にミックスを行うという新コンセプトによるルーティングパターンに変更しました。
「スネア」という発想をやめ、新たに「リズムシーケンスパターン」として使用するという考え方こそが、最大の特徴です。
「EXPRESS SOUSIC」では、上記SRV-4をさらにリファインした“SRV-4.5”を採用いたしました。
これは、使用するエフェクトを変更し、より自然な定位や音質を実現したものです。
SRV-3 SRV-3
SRV3
SRV-3は、平成19年2月21日発表のKING SOUSIC(ver.3)の、新規制作曲部分に投入されました。
つまり、KING SOUSIC は、SRVの進化と共に進化している事になります。
SRV-3はご覧の通り、SRV-2と比較すると、殆ど変化していない事がお分かり頂けると思います。
SRVは成熟期に入りました。
上記の定位表をご覧頂くとお分かり頂けると思いますが、唯一変化した箇所として、
ドラムセットの中にスネアを追加しました。つまり、ジョイント音・ポイント通過音と共に、「ツインスネア」となりました。
その他の部分は、基本的にSRV-2と同一です。
SRV-2 SRV-2
SRV2
SRV-2は、平成18年4月16日発表のKING SOUSIC(ver.2)に投入されました。
このバージョンからマルチトラックレコーダーベースに変更し、現在の水準に近いソージックサウンドとなりました。
SRV-1から定位設定を大きく見直し、走行中のノイズも一部に使用し、迫力を向上させました。
上記の定位表を見ても、現行作品まで受け継がれているサウンドを聴いても明らかだと思いますが、
リズムを刻む車輪の音(ジョイント音・ポイント通過音)を、ドラムセット内のスネアに統合しました。
加速・減速音の両端定位に変更はありませんが、走行時の迫力を表現する「走行中のノイズ」を追加しました。
これにより変速時と定速時のギャップを減らし、違和感も解消されています。
SRV-1 SRV-1
SRV1
平成17年10月18日発表のKING SOUSIC(ver.1)に使用されたルーティングパターンです。
これが、KING SOUSIC(ver.1)の音楽の定位情報という事になります。
KING SOUSIC(ver.1)では、
マルチトラックレコーダーベース(MTRシステム等を使用しての録音・編集)ではなく、
MIDIシーケンスベース(MIDIデータを直接ミックスをしていく方法)で制作を行いました。
従って、音楽成分の左右に効果音を加えたものに過ぎません。
ソージック作品のリズムパターンの基準とも言える電車のジョイント音は、
他の効果音と同じように左右に定位していました。